私が育った兵庫県川西市は、大阪近郊にある静かな住宅都市です。幼い頃、街で外国人を見かけることはほとんどなく、日本を一度も離れたことのない両親のもとで、海外とは縁の遠い環境で育ちました。
そんな私が、逆に強く惹かれたのが「海外」という未知の世界でした。インターネットも普及していなかった学生時代、私は本や翻訳小説を通して異国の文化に想いを馳せていました。大人になって初めて、ワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアに渡ります。
英語力ゼロのまま、「なんとかなるだろう」と飛び込んだ異文化の世界。現地のハンバーガー店で「バニラミルクシェイク」を注文したつもりが、出てきたのは「バナナシックシェイク」。自分の発音のせいなのか、店員さんの聞き間違いなのかも分からず、自信がなかった私は、小さな声で「Thank you.」とだけ言い、それを受け取るしかありませんでした。
語学学校では、世界中から集まった人たちが、完璧ではない英語で自分の国の文化や政治について力強く語っていました。「日本はどうなの?」と聞かれても、私はうまく答えることができず、それは英語力以前の問題だと痛感しました。そんな悔しさや恥ずかしさを抱えながらも、現地の人々に助けられ、多くを学びました。日本を飛び出したからこそ、視野が一気に広がったことを今でも鮮明に覚えています。
帰国後は、英語、異文化、そして自国・日本についてあらためて学び直し、「日本人として異文化とどう向き合い、関わっていくか」を考えるようになりました。こうした原体験を経て、現在は「海外とつながりたい」と願う方々に向けて、英語や異文化理解をテーマにした研修を、仲間とともにお届けしています。

現在、日本では街中でも企業内でも、外国人と接する機会が急増しています。しかし、言葉の壁や文化の違いに戸惑う方も多く、「もっと伝えられたら」「どう接すればいいのかわからない」という声を耳にします。
わたしたちを取り囲む環境のグローバル化が進む一方で、一人ひとりの対応力はまだ十分とはいえません。だからこそ、私たちは「学び」を通じてそのギャップを埋めるお手伝いができればと考えています。Bridge & Bloomは、そんな想いからスタートしました。
ありがたいことに、同じ志を持つ仲間たちが集まり、一人では成し得ないことも、力を合わせて形にしていけるグローバルチームとなりました。偶然にも講師仲間は全員、東京・吉祥寺在住。地域のつながりを大切にしながら、世界へと視野を広げた活動を展開しています。
人と人、人と世界をつなぐ「架け橋」となるように――
私たちはこれからも、一歩先のコミュニケーションを目指す皆さまをサポートしていきます。
Bridge & Bloom代表
